明確なビジョンと目標の共有

先代の事業を継いで次世代経営者が事業を始めるとき、これまで長い間先代の社長に仕えてきた古参の社員やその他の社員、さらには取引先、協力会社や金融機関に至るまで、全て周囲の関心事は「今度の社長は一体どのように会社を運営していくのだろうか」に絞られます。というより、全て周囲は先が見えずに不安の色さえ隠せません。

後継者が資金の必要性から金融機関に借り入れを申し込んでも貸し渋るでしょうし、また、これまで仕事をくれていた親企業も従来通り、仕事をくれるとは限りません。一方、社内においても、特に古参の従業員からみれば、新たに社長に就任した後継者は、仕事のできない新米社員にしか見えません。

このような状況下、後継者としての次世代経営者が、自分が代表者として5年後、10年後に会社をこのような状態にするのだというビジョンを明確に示し、そのために全員が一致して事業を展開するのだ、と明確に示せれば周囲は皆、安心して協力し、次世代経営者が指し示すビジョンや目標達成に協力するはずです。その結果として強い組織力を発揮して事業の更なる発展を促すことになります。

その組織力を発揮するためには、経済学者のバーナードが提唱している組織成立の要件に沿った事業展開が有効です。バーナードは、「人間が個人として達成できないことを他の人々との協働によって達成しようとするとき、組織が生まれる。そして組織とは3人以上のメンバーをもって構成され、そこには以下の三つの要件が存在する」として、三つの「組織成立の要件」をあげています。

 

1.共通目的 ・・・・・・・組織共通のゴール

組織のゴールである目標を明確にして、組織内で共有する。

2.協働意欲(貢献意欲)・・ 組織力の結集

組織を構成する各自が同じ目標に向かっていこうとすれば、組織力という集団の力が生まれる。

3.コミュニケーション・・・組織の血流

集団の中には、人体の血流のようなコミュニケーションが流れ、組織全体が健全に活性化する。

 

このように、組織成立の要件を考えた経営は後継者にとって必須の思考となります。

 

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