資源展開
企業活動は経営資源を投入することによって、顧客価値を創造することで成り立っています。経営資源には、ヒト、モノ、カネという物的経営資源と情報、ノウハウ、技術、ブランドソフトな経営資源があり、最近はソフトな経営資源の重要性が高まっています。限られた経営資源から最大の価値を生み出すためには他社にない競争上有効な資源を重点的に蓄積し、重点分野に集中的・効果的に資源を展開する必要があります。資源展開とは経営資源の獲得・蓄積・配分についての意思決定を言います。
資源展開には二つの大切な課題があります。一つは、重点事業・市場・製品へ重点的に資源を獲得・蓄積・配分することです。企業は限られた経営資源を最大限に活用して最大の効果をあげるために、重点分野の選択とそこへの集中配分が必要です。
二つ目の課題は、多角化です。プロダクト・ライフサイクル(メルマガShonanGrobal Business Headline 13号参照)に見られるとおり、どのような事業もいずれは、成熟期、衰退期を迎えるので、企業がゴーイング・コンサーンとして永続的に発展するためには多角化が不可欠です。多角化を考えるときには、不足する経営資源をいかに補うかが、大きな課題となります。多角化を図る分野が、既存の製品・市場からどの程度離れているかによって資源展開は異なってきます。