コア・コンピタンス経営

コア・コンピタンスとは、一般的に「組織に内在する他社に真似のできない中核的なスキルや技術」と定義されていますが、ここでいう「コンプライアンス経営」とは、このコア・コンピタンスであるスキルや技術に経営資源を集中的に投下し育成して、新たな未来の市場を開拓していく戦略と定義づけます。つまり、「コア・コンピタンス経営」とは、未来への競争戦略と位置付けることができます。

 

「コア・コンピタンス経営」と対極の位置にあるのが、ベンチマークで、これは業界のトップ企業の戦略や方策を徹底的に研究して、さらに優れた仕組みを作りだすことです。ベンチマークの対象が既存の市場であるのに対して、「コア・コンピタンス経営」の対象は未来の市場にある点が大きな違いです。

 

したがって、「コア・コンピタンス経営」を実践していくためには、最終商品や最終サービスにとらわれることなく、市場の将来展望を見据えて、そこに向かって自社の中核となるスキルや技術を探し出し、それを集中的に育成していくことになります。

 

シャープやホンダは、自社が育成してきた液晶技術やエンジン技術によって「コア・コンピタンス経営」を実践した結果として、市場を支配するに至っています。

 

どのように高邁な企業理念をうたっても、それを実現できるスキルや技術がないと理念の実現は不可能です。コア・コンピタンスは、企業理念を実現するための技術でもあります。