後継者の能力を活かす

事業承継を進めるにあたり、後継者の能力を整理すると、そこに新たな事業の芽が存在することがよくあります。特に、その新たな事業の芽が現在の事業とは全くかけ離れたケースも意外に多く、それをそのまま放置しておくと後継者が、これまでの事業路線とは全く違う方向に走り出し、会社を駄目にしてしまうケースはよく見かけます。後継者が持つ斬新な能力を活かすためにもPPMは有効です。

後継者の能力を活かして事業を安定的に拡大していくためには、後継者が自社の「金のなる木」に存在する能力を把握したうえで、後継者の能力を活用して「問題児」を創りだすことが必須です。

後継者はまず、象限1自社の「金のなる木」をしっかり身に着けるために現場に入って、従業員とともに一定期間働きます。ここに自社のコア・コンピタンスが内在しているので、それをしっかりと認識することが大切です。

  • 象限1「自社の金のなる木」をしっかりと押さえた後、後継者の能力を棚卸して自社のコア・コンピタンスを融合させて象限3「新たな問題児」を創出します。
  • 最後に、象限4「自社の花形」をつくりだすために全社で取り組みます。特にこの場合、行政による市場開拓などの支援も必要になります。