CPM

CPM(Customer Portfolio Management)

成長戦略を検討する時、自社の事業を評価する方法にPPM(Product Portfolio Management)があります。企業は一般に多くに製品を抱えて事業活動を行っており、それぞれの製品を4つの象限に分けて製品ごとに現状を評価し、育成するのか、保持するのか、収穫するのか、撤退するのかを決定して経営資源の配分を行うためのフレームワークです。

ここで説明するCPMは、PPMとは異なる縦軸と横軸を使用して、自社が保有するすべての顧客を4つの象限に分類し、それぞれの象限の顧客にどのように対応していくのかを考えるPPMを応用した新しいツールとしてのフレームです。縦軸に売上高の伸びをとり、横軸に自社への貢献度としての売上総利益シェアを取ります。

cpm

今回のメールマガジンで述べている顧客を増やすときに大切な対象は「負け犬」に区分けされた顧客群です。どちらかという休眠顧客あるいはそれに近い顧客です。この象限に分類された顧客は、過去において自社との取引があったが現在は取引がないか、あるいは、大きな取引先であったが何らかの理由で現在は少額の取引になっている取引先か、あるいは、かつては当初から少額の取引の顧客かもしれません。従って、「負け犬」に区分された顧客に対しては以下のような視点で積極的な営業活動を展開する必要があります。

①顧客ニーズとのミスマッチ

この場合、自社の提供する商品・サービスが顧客が望んでいるものと大きくかけ離れていることがないか、顧客のニーズを把握することが大切です。提供するもののニーズがあっていない場合には、新たな商品・サービスの開発と同時に、自社の能力の開発も必要になってきます。

②営業担当者のレベルのミスマッチ

特に技術を重視する仕事の場合に見られるのですが、営業担当者の技術能力が顧客の技術レベルよりも極端に低く、相手にしてもらえず、取引が成立しないケースが考えられます。

③顧客の事業レベルの低下

自社の原因よりも顧客側の収益力低下に原因がある場合には、顧客の切り捨ても視野に入れて考えないと痛手をこうむることになします。

とにかく「負け犬」に区分された顧客群には、切り捨てる顧客もあれば、将来の主要顧客になりうるものもあり、宝の山ですから、しっかりと吟味する必要があります。