競争戦略の構築ステップ(2)

2)ビジネスモデルの構築

①事業コンセプトの明確化

競争戦略構築の次のステップは、儲けの仕組みであるビジネスモデルを構築することです。ビジネスモデルとは事業コンセプトを儲けるための仕組み、つまり競争優位獲得の仕組みとして完成させたものです。事業コンセプトとは自社がこの事業で「誰に(ターゲットとする顧客)」「何を(顧客ニーズ)」「どのように(自社の強みを生かした差別化のポイント)」提供するのかを明確にするものです。お客様にとって自分たちのこの事業がどのようなものであるかをよく伝えると共に、これを明確にすることによって自社の事業の方向性がぶれないものとなります。

 

1.誰に、は当然、ターゲットとする顧客です。明確にしてください。ターゲット顧客の選定基準としては、すでに学んだ通り、性別、年齢、地域、職業、所得水準、趣味嗜好、ライフスタイルなどがあります。事業を成功させるためには、ターゲットを絞り込むことが極めて重要です。(ここでSTP戦略のS及びTが活かされます。)

2.何を、は顧客ニーズを満たすポイントです。逆に言えば、お客様にとっての魅力や便益であり、お客様が「困っていることを解決する方法」であったり、お客様にとって「こんな良いものがある」と思わせる視点が大切です。(STP戦略のTがもつニーズです。)

3.どのように、は自社の強みを活かして他社とどのように差別化するかのポイントになります。この部分では、SWOT分析で導き出した自社の強みを活用するとよいでしょう。(STP戦略のPで自社の市場における位置を明確にします。)

 

事業コンセプトは、誰に、何を、どのように、を明確にして、ズバリ、ビジネスモデル(儲けの仕組み)として完成させるのです。事業コンセプトをビジネスモデルとして完成させ、業界での地位を勝ち取ったプラスによる「アスクル」のビジネスモデルを参考にするとよいでしょう。

「誰に=企業の総務課に」「何を=オフィスで使用するあらゆる消耗品を」 「どのように=製品を一冊のカタログにまとめて、注文に応じ明日届ける」