ギャップ認識から競争戦略構築へ

競合ギャップ分析の分析項目をすべて自社のケースにあてはめて比較分析した後、その結果に基づいた自社の競争戦略を立案します。

(1)標的市場の選択

競争戦略構築の最初のステップは、市場(標的市場)の選択です。企業にとって魅力的で将来の成長機会が見込める市場を選択することは容易なことではないが、市場の選択の結果は長期にわたってその後の戦略や業績に影響を及ぼすことになります。

標的市場を選択するときの判断要因としては、市場規模の将来の拡大可能性はどうか、その市場で自社のコア・コンピタンスを発揮して競争優位を築けるか、その市場へ参入する時の障壁は自社にとって困難なものではないか、その市場でリーダー企業との差別化を図ることができるか、の4つの点で考えると同時に、すでに学んだ5フォースモデルでその市場の魅力度を判断する必要があります。

標的市場を選択して顧客ニーズを明確にし、競争優位を確立していくためには、STP戦略、つまり、S(Segmentation)、T(Targeting)、P(Positioning)のそれぞれのプロセスを明確にすることが大切です。この場合、自分のターゲットとする競争相手との関連で自社のマイナス要因をプラスに変えていくことを念頭に置いて、STPを考えていくと良いでしょう。

 

①ターゲット顧客の見直しと明確化

②顧客ニーズの明確化

(2)ビジネスモデルの構築

①事業コンセプトの明確化

競争戦略構築の次のステップは、儲けの仕組みであるビジネスモデルを構築することです。ビジネスモデルとは事業コンセプトを儲けるための仕組み、つまり競争優位獲得の仕組みとして完成させたものです。事業コンセプトとは自社がこの事業で「誰に(ターゲットとする顧客)」「何を(顧客ニーズ)」「どのように(自社の強みを生かした差別化のポイント)」提供するのかを明確にするものです。お客様にとって自分たちのこの事業がどのようなものであるかをよく伝えると共に、これを明確にすることによって自社の事業の方向性がぶれないものとなります。

1.誰に、は当然、ターゲットとする顧客です。明確にしてください。ターゲット顧客の選定基準としては、すでに学んだ通り、性別、年齢、地域、職業、所得水準、趣味嗜好、ライフスタイルなどがあります。事業を成功させるためには、ターゲットを絞り込むことが極めて重要です。(ここでSTP戦略のS及びTが活かされます。)

2.何を、は顧客ニーズを満たすポイントです。逆に言えば、お客様にとっての魅力や便益であり、お客様が「困っていることを解決する方法」であったり、お客様に
とって「こんな良いものがある」と思わせる視点が大切です。(STP戦略のTがもつニーズです。)

3.どのように、は自社の強みを活かして他社とどのように差別化するかのポイントになります。この部分では、SWOT分析で導き出した自社の強みを活用するとよいでしょう。(STP戦略のPで自社の市場における位置を明確にします。)

②コア・コンピタンスの明確化

コア・コンピタンスとは、市場において競争優位を確立するための企業の中核的能力で、企業が持つ「独自の生産技術・ノウハウ」「販売・経営管理ノウハウ」「人材スキル」などが組織の中で一体となった能力です。コア・コンピタンスを市場において充分に活かすためには、3つの視点で対応することが大切になります。

つまり、競合に対して自社のコア・コンピタンスで、どのように「差別化」し優位に立つか、顧客に対して、自社のコア・コンピタンスを使ってどのような「利便性を提供」して顧客満足度を高めるか、そしてそれらの結果として、どのように標的市場全体に「影響」を与えていくか、です。企業としては、競合に対する「差別化」構築と顧客に対する「利便性の提供」のためにコア・コンピタンスに経営資源を集中的に投資していくわけです。

(3)経営資源の集中

経営資源とは、一般的にヒト・モノ・カネ・情報と言われています。このうち、ヒト・モノ・カネが三大資源といわれ、特に企業においては、「ヒト」がまず大切とされ、適材の「ヒト」が組織に存在すれば、充分なモノ・カネを調達することができ、また調達したモノ・カネを適材なヒトがいれば活かすことができます。モノについては、自社固有のコア・コンピタンスを明確にして、それを市場において進化させ、ターゲット顧客に利便性を提供するための「顧客ニーズ対応商品計画」を準備作成し、またカネにおいては、その用途と調達を明確にした「資金調達・運用計画」の作成が求められます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です