商品の三層構造

コトラーによれば、顧客の問題を解決する「便益の束」であるといわれています。そして以下のような三層に分けて解説しています。これを実際に実践している事例企業である小林住宅工業の商品構造を見ながら理解していただきたいと思います。小林住宅工業は、 「自然流(じねんりゅう)健康住宅」を「棟梁が持つ匠の技で天然素材を生かして」つくります。そのブランド「コバジュウ」は知る人ぞ知る高級ブランドです。それを支えているのが営業や管理部門で常に顧客の立場で考え行動しているキラリと光る企業です。

1.   中核的便益

商品の基本的な価値をなすもので、商品を購入するときに顧客が感じる便益であり主目的に相当します。それが「美しさ」であったり「家族団欒」であったりします。事例企業での便益は「自然流の健康住宅」です。

2.   商品そのもの

中核的な価値をもう少し大きくした概念で「品質」「技術」「商品の特徴」「ブランド」などです。事例企業では「優れた匠の技術」であり、「自然素材100%の建築材料」です。事実、若干27歳の棟梁の腕はピカイチです。

3.   付随的なサービス

これは現実的な商品をより広げた概念で「営業の姿勢」「アフターサービス」「品質保証」「配送や取り付け」など付加されたサービスを含む概念です。事例企業で言えば、3Cの概念をしっかりと押さえ、常に顧客の立場に立って顧客の「不」を解決しようという営業・管理担当の姿勢であり、少しの不具合でもすぐに飛んできて解決してくれる全社員の姿勢であり、また同社が提供する長期品質保証制度です。


<事例企業の商品概念の図>