実践的差別化戦略

差別化戦略とは、他社にはない特徴を持つ製品やサービスなどを提供することで、競合他社とは違うエリアで競争する戦略です。つまり、差別化戦略とは、「競争しない競争戦略」の手法と見ることができます。差別化は製品の機能や技術的優位による場合もあれば、サービスやブランド・イメージによって確立される場合もあります。同業他社の模倣をどう阻止するかがポイントです。以上が一般的な差別化戦略の定義ですが、この戦略を実践的に展開するにはどのようにするかを確認しておきたいと思います。

まず、買い手の購入ニーズとそれに応える自社の能力を明確にすることによって差別化のポイントつくり上げることです。買い手の購入ニーズとは、ズバリ、顧客が今の製品やサービスに感じている「不」、つまり不便、不具合、不快、不自由などを解決して欲しいというニーズです。これをいかにして自社の能力で埋めるか、がポイントになります。製品やサービスの基本機能(一次機能)を強化することで差別化を図ることは勿論ですが、競争優位を確実に保つためには、基本機能(一次機能)+二次機能を強化することで差別化することが大切です。基本機能(一次機能)を強化するには技術開発力を強化することで独創的な競争優位を築くことが大切ですが、必ず、競合他社の模倣がありますので、基本機能(一次機能)だけで長期間にわたり競争優位を確保することは困難です。そこで二次機能を強化することで長期間にわたる差別化を実現することが必要になってきます。たとえば、エアコンの一次機能は「暖冷房」ですが二次機能として自動クリーニング、省エネ、エコ暖房などが付加することで差別化しています。中小企業の差別化のポイントは、まず本業を一次機能とし、その一次機能を顧客に提供する時にその顧客が「不」に感じて解決して欲しいと思っているポイントは何か、を徹底的に調査することです。たとえば、レストランであれば、今は飲酒運転の危険性から、ゆっくりと飲酒しながら食事を楽しむ事が出来ず、これが顧客減少の原因ともなっています。この状況を顧客の立場で考えれば、「送迎してくれれば、仲間や家族とゆっくり食事を楽しむ事が出来る」に気づき、「送迎サービス」という2次機能の仕組みがつくられるはずです。そしてこの1次機能(飲食の提供)+2次機能(送迎サービス)の戦略を誰に提供するのかという「狙いとする顧客(たとえば団体の顧客)」に絞り込んで実施するか、あるいは飲食の内容を「特殊な料理に絞り込むか(たとえば地場産の食材のみの提供)」という差別化集中戦略が中小企業のとるべき実践的で有効な差別化戦略となるのです。

 

<わかりやすい差別化集中戦略の事例>

差別化集中戦略をとって、ニッチ市場でトップの位置を占めているのがオタフクソースです。ソース業界のリーダーはブルドッグソースが、オタフクソースは、「お好み焼き」というニッチ市場に特化して事業を展開し、ブルドッグソースや他のソースメーカーと完全な差別化された戦略をとっています。リーダーのブルドッグソースの看板商品は、ウスターソースや中濃ソースです。これに対し、オタフクソースの商品は、お好み焼き市場向けに絞り込んで、「お好みソース」や「焼きそば用ソース」となっています。商品をお好み焼き市場に絞り込んでいるので、販促活動も当然のことながら、「お好み焼き」教室の展開など、完璧にターゲット市場に特化しています。

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