競争優位

企業には競争者あるいは潜在的な競争者がいて、競争者との競争を前提として企業活動が営まれます。企業が長期的に存在し発展するためには、これら競争者に対して競争優位を確立する必要があります。自社がいくら優れた技術やノウハウを持っていたとしても、競合他社が自社より優れた技術やノウハウを持っていたとしたら、自社は競争優位を発揮することはできません。競争優位の獲得と維持は、自社の収益の源泉であり、経営戦略の重要な要素なのです。

競争は既存の業界だけで行われるわけではありません。ポーターのファイブ・フォースモデルに示されている通り、潜在的な脅威として新規参入者や代替品としての参入者の脅威も考慮して戦略を立てなければなりません。

競争優位とは、他社との競争で上回り、高い成長性や収益性を確保できる状態をいいます。自社が提供する製品やサービスにおいてコスト競争力で競合他社に勝っているか、品質・デザイン・機能等の差別性で優れているか、あるいは限定された事業範囲に自社の事業を集中化して優位に立つかです。競争優位を獲得してそれを維持している企業は長期にわたって安定的に事業を営む事が出来るのです。

競争優位を獲得するためにはKey factor for Success(KFS=成功のカギ)を明確にすることが重要になります。事業には所属する業種、業界、業態によって、ある程度決まった勝ちパターン、つまりKFSがあります。高級婦人服のデザイン力、カジュアルウェアの低価格、サービスに係る付加的機能、などです。こうしたKFSにおいて他社を上回ることが競争優位を獲得する近道です。