設計段階でのコストダウンの重要性

(1)製品コストの80%は、設計段階で決まる

製造業における設計部門は、お客様のニーズという目にみえないものを製品という形あるものに変換する業務であるため、従来あまりコストが意識されることがなかったが、製品の性能の良さは評価されるものの値段が高く売れないという経営上の課題を生み出し、結果として利益を生み出すことが出来ない状態になっていました。このため、製品の設計では、形のないニーズを形ある製品に作り出す創造性他社に負けない原価で作れることの双方が要求されるようになりました。大きなコストダウンを実現しようとすると、部品の形状、材質など図面や仕様の変更をすることが必要になります。最初の設計段階での製品原価の検討をしっかりと行なっていれば、つくってからのムダを減らすことができるのです。

(2)コスト設計のステップ

<設計段階のステップ>

1.商品の企画

2.製品の開発

①構想設計・・・・・・・・・・顧客にニーズを満たす方法を考える

   ②基本設計・・・・・・・・・・要求される基本機能の構成要素を決める

   ③詳細設計    設計業務・・構成要素を具体的部品に展開

   ④設計試作・・・・・・・・・・試作機をつくる

⑤実機テスト・・・・・・・・・試作機で実機テストを実施

3.試作

4.量産試作

5.量産

上記設計ステップに沿って、製品の中身が、具体的に決められていくに従って、コスト決定の自由度が狭まっていくことになります。これが「製品のコストは、設計段階でその80%が決まる。」といわれる所以です。

(3)設計でのコストダウンのポイント

設計でのコストダウンは、大きく以下の2つに分けて考えることが出来ます。

1)設計業務の中で着目すべきコストダウンポイント

1.部品点数を見直す

製品をつくるための情報としての部品表に記載されている部品の点数を減らすことです。

2.材料単価をチェックする

昔の車や家電製品は、鋼板という鉄の板をたくさん使用していました。現在は、鋼板から樹脂に変わってきています。これは、要求を満たせる安価な材料を選択してきたからです。

3.標準化・共通化

「量に勝るコストダウンなし」。これは製品をつくる時に1個作っても100個作っても段取費のように数量に関係なく一定額発生する費用と加工費のように数量が増えると比例して増える費用があります。当然、数量がまとまれば、1台当たりの段取り費が下がります。ここでコストダウンが出来ます。共通化を図り、まとめて買う、まとめて作ることによってコストダウンを図ることになります。コストダウンを進めるにあたって、数量を纏めることは最も効果的な方法です。数量を纏めるには、①製品として数量を纏める ②製品でなくユニットのレベルで数量を纏める ③部品レベルで数量を纏める、の3つがあります。つまり、共通化を図り、まとめて買う、まとめてつくることがコストダウンにつながるのです。 

2)コストダウンのための仕組み作り

最近、これまでその会社では作ったことのない、新しい構造を検討することを求められることが多くなり、設計者は、様々な機能を満たすための方式や構造に関する情報を持っていなければなりませんが、一人の設計者が保有できる情報には限りがあります。設計部門では、これらの方式や構造の情報をアイデアとして集約し、整備・管理しておくアイデア情報の蓄積必須になっています。このときに大切なことは、集めたアイデアのひな形をベースに、「いくらで作れる。」という標準原価を設定しておくことです。この情報によって、新しい製品を開発するにあたって、製品全体の構想から、必要な機能とそれを満たす方式や構造を選択し、その構造を選択した場合、原価はおおよそいくらであることがわかるようになります。そして、目標原価を達成するために、その構造をさらに洗練化し、図面や仕様書にまとめるのです。

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